12) 水之巻 ★ 心の持ち方

サッカー語訳

サッカーでは、いつも平常心を保たなくてはなりません。

普段の生活でも試合でも同じように、心は広く素直にして、きつく引っ張らず、少しも緩ませず、どこにも偏らないように真ん中に置き、静かに揺るがせて、そして、揺るぎが少しの間も止まることのないようにしておくのです。静かなときも、心は静かにしておいてはいけません。素早く動くときも、心が早くなってはいけません。心が身体に引きずられることの無いように、身体も心に引きずられることの無いように。心には用心しますが、身体には用心しません。また、心が足らないことも、余ることもないように、表面の心は弱くても、底には強い心を持ち、敵には心が見えないようにします。そして、小さな身体の者は、大きな身体の者のすべてを把握し、大きな身体の者は、小さな身体の者のすべてを把握するようにします。大きな身体の者も小さな身体の者も、自分の体格に合わせた世界観にとらわれるのではなく、違った見え方があることを素直に受け入れることが肝心です。

濁りのない心を大きく広げて、その広い心の中に学んだ知恵を置くようにします。知恵も心も磨き続けることが一番大切です。知恵が鋭くなれば、正誤と善悪を判断できるようになり、様々な分野の広い経験を得れば、大勢の意見であろうと流されないようになります。サッカーの知恵は、このようにしてかたち作られるサッカーの知恵が、最も勝敗を左右します。

慌しく攻防が繰り広げられている試合中でも、少しも慌てずサッカーの法則の実践のみに集中することが大切です。じっくり吟味してください。

 

★ 原文・・・『武蔵の五輪書を読む』(播磨武蔵研究会「宮本武蔵」)より

一 兵法、心持の事。

兵法の道におゐて、心の持様ハ、常の心に替る事なかれ。常にも兵法のときにも、少も替らずして、心を廣く直にして、きつくひつぱらず、すこしもたるまず、心のかたよらぬやうに、心をまん中に置て、心を静にゆるがせて、其ゆるぎのせつなも、ゆるぎやまぬやうに、能々吟味すべし。静なるときも、こゝろハしづかならず、何と早き時も、心ハ少もはやからず。心ハ躰につれず、躰ハ心につれず、心に用心して、身には用心をせず。心のたらぬ事なくして、心を少もあまらせず、上の心はよハくとも、底の心を強く、心を人に見分けられざる様にして、少身なるものハ、心に大なる事を残らず知り、大身なるものハ、心にちいさき事を能知りて、大身も小身も、心を直にして、我身のひいきをせざる様に、心をもつ事肝要也。

心の内にごらず、廣くして、廣き所に智恵をおくべき也。智恵も心も、ひたとみがく事専也。智恵をとぎ、天下の利非をわきまへ、物毎の善悪をしり、万の藝能、其道々をわたり、世間の人にすこしもだまされざるやうにして、後、兵法の智恵となる心也。兵法の智恵におゐて、とりわきちがふ事、有もの也。

戦の場、万事せわしき時なりとも、兵法、道理を極め、うごきなき心、能々吟味すべし。

 

注釈

特にありません。


04. 4月 2012 by outsidervoice
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