24) 水之巻 ★ 切り方は有って無い

サッカー語訳

ボールの位置を5つに分けて、それぞれの位置に応じた切り方を書いてきましたが、切り方は本来、区分けすべきものではありません。敵の出方、場所、試合の流れに合わせて、とにかく、しっかりと切れるように切れば良いのです。上段、中段、下段というボールの位置も、区分けの境界線があるわけではありませんし、両脇も程度が様々です。ですから、それぞれの位置に合わせた切り方は「有って無い」ということなのです。

サッカーではとにかく、どんなことをしても敵を切るという気持ちでいなくてはなりません。こちらを切ろうとしている敵を受け止めたり、はね返したり、敵にプレッシャーをかけるのも、すべては敵を切るためと、心得ておくことが大切です。受け止めるためのプレー、はね返すためのプレー、プレッシャーを与えるためのプレーと思っていると、切ることが不十分になってしまいます。すべてにおいて切るという目的を忘れないとはどういうことか、じっくり吟味してください。試合でのフォーメーションやポジショニングなども、それ自体が目的ではなく、切って勝つためのものです。かたちに囚われた思考に陥らないために、日々努力してください。

 

★ 原文・・・『武蔵の五輪書を読む』(播磨武蔵研究会「宮本武蔵」)より

一 有搆無搆の教の事。

有搆無搆と云ハ、太刀を搆と云事、有べき事にあらず。されども、五方に置事あれバ、搆ともなるべし。太刀は、敵の縁により、所により、けいきにしたがひ、いづれのかたに置たりとも、其敵きりよき様に持心也。上段も、時に随ひ、少さぐる心なれバ、中段となり、中段も、利により少上れば、上段となる。下段も、折にふれ少上れバ、中段となる。両脇の搆も、位により、少し中へ出せバ、中段、下段ともなる心也。然によつて、搆ハ有て搆ハなきと云利也。

先、太刀をとりてハ、何れにしてなりとも敵をきる、と云心也。若、敵のきる太刀を、うくる、はる、あたる、ねばる、さはる、など云事あれども、みな敵をきる縁也、と心得べし。うくるとおもひ、はるとおもひ、あたるとおもひ、ねばるとおもひ、さはると思ふによつて、切事不足なるべし。何事もきる縁とおもふ事、肝要也。能々吟味すべし。兵法大にして、人数だてと云も搆也。ミな合戦に勝縁也。いつくと云事悪し。能々工夫すべし。

 

注釈

前に、訳文の中で簡単に書きましたが、「切る」とは敵のシステムや流れを切るということで、パスやシュートやキックやヘディングなどあらゆるプレーはそこに集約されます。


05. 4月 2012 by outsidervoice
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