48) 水之巻 ★ この巻のおわりに

サッカー語訳

以上のように、「二天一流」の技術の概要を、この巻に記しました。

サッカーにおいて敵に勝つためには、まず、5つのボールの位置とその位置での基本的切り方を習得します。そして、さらにいろいろな切り方、身体の使い方、心の持ち方、リズムを習得すると、プレーの切れ味が増し、身体も脚も思うままに動くようになります。また、法則に対する理解が進むにつれて、だんだん強い敵に勝てるようになり、正しい法則とそうでない法則の違いもわかるようになります。

この書に書かれていることを、ひとつずつ練習して、実戦で試し続ければ、確実に力が付いていきます。この書の内容を常に考え続け、自分の身体とボールを使って試し納得し、どんな敵とも真剣に対戦し、その戦いを分析し、焦ることなくじっくりと、一歩ずつ長い道のりを歩んでください。

何年かかろうともサッカーの法則を掴み出すことがサッカープレーヤーの役割と心得え、この書物が指し示している道を逸れないように気をつけつつ、きょうは昨日の自分に勝ち、明日弱い敵に勝ったら、明後日は強い敵に勝つというように、前に進んで行くのです。強敵に勝ったとしても、習得したことと違うプレーで勝ったのなら、それは正しい勝利ではありません。正しい勝利を心に浮かべてみましょう。そこには1人で何人もの敵に勝つための法則があるはずです。知恵の力によって、サッカーの法則を自分のものにしましょう。目的を成し遂げるためには、千日の練習は単なる始まりであり、万日の練習が必要です。じっくりと吟味してください。

 

★ 原文・・・『武蔵の五輪書を読む』(播磨武蔵研究会「宮本武蔵」)より

右書付所、一流の劔術、大かた、此巻に記し置事也。

兵法、太刀をとつて人に勝處を覚るハ、先、五つの表を以て、五方の搆をしり、太刀の道を覚へて、惣躰やはらかになり、心もきゝ出、道の拍子をしり、おのれと太刀手さへて、身も足も、心のまゝ、ほどけたる時に随ひ、一人に勝、二人にかち、兵法の善悪をしるほどになり、[以下不連続]

此一書の内を、一ヶ条/\と稽古して、敵と戦ひ、次第/\に道の利を得て、たへず心にかけ、急ぐ心なくして、折々手にふれ、徳を覚へ、何れの人とも打あひ、其心をしつて、千里の道も、ひと足宛はこぶ也。ゆる/\と思ひ、此法をおこなふ事、武士の役なりと心得て、[以下不連続]

今日ハ昨日の我に勝、あすハ下手に勝、後ハ上手に勝と思ひ、此書物のごとくにして、少もわきの道へ心のゆかざる様に思ふべし。たとへ何ほどの敵に打勝ても、習にそむく事におゐてハ、實の道に有べからず。此利、心にうかミてハ、一身をもつて、数十人にも勝心のわきまへ有べし。然上ハ、劔術の智力にて、大分一分の兵法をも得道すべし。千日の稽古を鍛とし、万日の稽古を錬とす。能々吟味有べきもの也。

 

注釈

不連続な部分は、不完全な草稿であったためでしょうか。訳文では、つなげています。


06. 4月 2012 by outsidervoice
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