52) 火之巻 ★ 枕を押さえる

サッカー語訳

敵の頭をもたげさせないことを、枕を押さえると言います。

敵に主導権を取られ翻弄されれば、戦いは非常に不利となります。どうにかして、こちらの思うままに敵を動かしたいものです。しかし、そのように考えているのは敵も同じで、敵の攻撃にうまく対応できなければ、こちらの思うようにはなりません。ゲームをコントロールするためは、敵の攻撃や進撃を抑えこみ、そして守備を整える動きも抑えこみます。

そのためには、サッカーの本質に適ったプレーを続けながら、敵の意図を気配のうちに察して、敵が実行に移し始めた瞬間に押さえ込み、行動を完結させないことが必要です。フェイントの「フ」の段階で押さえ込む、蹴るの「け」の段階で押さえ込む、ワンツーの「ワ」の段階で押さえ込むというようなことです。

また、敵が勝利の役に立たないプレーをしているならば自由にさせ、役に立つプレーをしようとするときだけ抑えこむのが、サッカーにおいては重要です。

しかし、押さえ込もう、押さえ込もうと思っていると、敵のプレーの後追いになってしまいます。自分は正しいプレーを続けながらも、敵のプレーを次々と端緒のうちに刈り取って、敵が役に立つことを何もできない状態にするのが、鍛錬を積んだサッカーの達人です。

枕を押さえることを、じっくり吟味してください。

 

★ 原文・・・『武蔵の五輪書を読む』(播磨武蔵研究会「宮本武蔵」)より

一 枕を押ると云事。

枕をおさゆるとハ、かしらをあげさせずと云所也。

兵法勝負の道にかぎつて、人に我身をまはされて、あとにつく事、悪し。いかにもして、敵を自由にまはしたき事也。然によつて、敵も左様に思ひ、われも其心あれども、人のする事をうけがはずしてハ、叶がたし。兵法に、人のうつ所をとめ、つく所をおさへ、くむ所をもぎはなしなどする事也。

枕を押ると云ハ、我実の道を得て、敵にかゝりあふ時、敵何事にても思ふ氣ざしを、敵のせぬうちに見しりて、敵の打と云、うの字のかしらをおさへて、跡をさせざる心、是枕をおさゆる心也。たとヘバ、敵の懸ると云、かの字(のかしら)をおさへ、飛と云、との字のかしらをおさへ、きると云、きの字のかしらをおさゆる事、ミなもつておなじ心也。

敵我にわざをなす事につけて、役にたゝざる事をば敵に任せ、役に立ほどの事をバ、おさへて、敵にさせぬやうにする所、兵法の専也。

これも、敵のする事をおさへん/\とする心、後手也。先、我は何事にても、道にまかせてわざをなすうちに、敵もわざをせんと思ふかしらをおさへて、何事も役にたゝせず、敵をこなす所、是、兵法の達者、鍛錬の故也。

枕をおさゆる事、能々吟味有べき也。

 

注釈

特にありません。


06. 4月 2012 by outsidervoice
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