55) 火之巻 ★ 剣を踏む

サッカー語訳

剣を踏むとは、戦いについて語るときにのみ使われる言葉です。試合で敵が畳み掛けるように攻勢に出てきた時、その攻勢が終わるのを待って反撃しても、その反撃のタイミングでは既に敵が守備と次の攻勢への体制を整えていて、こちらの思うように押し返すことができません。敵の攻撃に対してその最中に素早く反撃すれば、敵の攻撃を防ぐだけでなく、敵が守備に入る時間もないため、一気に攻勢に出ることができます。敵の攻撃(剣)を踏みつけるようにして反攻するのです。

一対一においても、敵のプレーに受身で反応するだけでは、仕掛けと受けが単調に繰返されるばかりです。敵が仕掛けてきたプレーに対しては、それを踏み潰す気持ちで途切れさせ、次のプレーに移れないようにします。

「踏む」というのは単に敵のプレーの芽を摘むことだけではなく、精神的にも相手を「踏む」ということです。敵の自信も奪い取り、その試合で復活できないようにするのです。これも、先(せん)に至る道筋です。

これは単に、敵と同時に仕掛けて正面からぶつかるということではありません。敵のプレーに対しすぐに、圧倒的に応じるということです。よく吟味してください。

 

★ 原文・・・『武蔵の五輪書を読む』(播磨武蔵研究会「宮本武蔵」)より

一 けんをふむと云事。

劔を踏と云心ハ、兵法に専用る儀也。先、大なる兵法にしてハ、弓鉄炮におゐても、敵、我方へうちかけ、何事にてもしかくる時、敵の弓鉄炮にてもはなしかけて、其跡にかゝるによつて、又矢をつがひ、鉄炮にくすりをこみ合するによつて、又新しくなつて追込がたし。弓鉄炮にても、敵のはなつ内に、はやかゝる心也。はやくかゝれバ、矢もつがひがたし、鉄炮もうち得ざる心也。物ごとに敵のしかくると、其まゝ其理をうけて、敵のする事を踏付てかつこゝろ也。

又、一分の兵法も、敵の打出す太刀の跡へうてバ、とたん/\となりて、はかゆかざる所也。敵のうち出す太刀ハ、足にて踏付る心にして、打出す所を勝、二度目を敵の打得ざる様にすべし。

踏と云ハ、足には限るべからず。身にてもふミ、心にても蹈、勿論太刀にてもふミ付て、二の目を敵によくさせざる様に心得べし。是則、物毎の先の心也。

敵と一度にと云て、ゆきあたる心にてハなし。其まゝ跡に付心也。能々吟味有べし。

 

注釈

置き換えを吟味してみてください。


06. 4月 2012 by outsidervoice
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