57) 火之巻 ★ 敵になる

サッカー語訳

敵になりきって考えることを、敵になると言います。

世の中のことで例をあげますと、盗みなどを働いて家に籠城している者を、強そうに思って非常に恐れてしまうことがありますが、敵になりきって考えれば、周囲の人たち全員に追われている気持ちで逃げ込んでいるのであって、至って心細いものです。篭城している者はキジで、捕まえようとしている者は鷹なのです。敵になれば、状況が正確に見えてきます。

敵チームを警戒しすぎて大げさな準備をしてしまうことが、しばしばあります。しかし、自チームに良いメンバーが揃っていて、サッカーの法則を皆が理解し、敵に勝つ気持ちも強いのであれば、気にすることは何もないはずです。

一対一でも、敵になりきって考えることが大切です。サッカーの法則をよく知り、日々鍛錬を続け達人となっている自分を目の前にした敵に、勝つ自信があるはずはありません。

じっくり吟味してください。

 

★ 原文・・・『武蔵の五輪書を読む』(播磨武蔵研究会「宮本武蔵」)より

一 敵になると云事。

敵になると云ハ、我身を敵になり替りておもふべきと云所也。

世の中を見るに、ぬすミなどして、家のうちへとり籠るやうなるものをも、敵を強くおもひなすもの也。敵になりておもへバ、世の中の人をみな相手として、にげこミて、せんかたなき心也。とりこもる者ハ雉子也、打はたしに入人ハ鷹也。能々工夫有べし。

大なる兵法にしても、敵といへバ、強くおもひて、大事にかくるもの也。我常によき人数を持、兵法の道理を能知り、敵に勝と云所を能うけてハ、氣づかひすべき道にあらず。

一分の兵法も、敵になりて思ふべし。兵法能心得て、道理強く、其道達者なる者にあひてハ、かならず負ると思ふ所也。

能々吟味すべし。

 

注釈

特にありません。


06. 4月 2012 by outsidervoice
Categories: 火之巻 | Leave a comment

Leave a Reply

Required fields are marked *


CAPTCHA


This blog is kept spam free by WP-SpamFree.