80) 風之巻 ★ 他流の、シュートを強く打つ教え

サッカー語訳

強いシュート、弱いシュートという区別はあるはずのないことです。強く打とうとしたシュートは荒いばかりで点になりません。また、脚を強く振れば早いシュートが打てるわけでもありません。それに、シュートを打つときに、その強弱を考えてはいません。強い気持ちで打とうとも、もちろん弱気に打とうとも考えてはいません。ただ、ゴールに入れようとしているだけです。

シュートを強く打とうとすれば、力みすぎてよい結果をもたらしません。シュートを防ごうとする敵にとっても、ゴールで待ち構えるキーパーにとっても対応しやすいタイミングにもなります。

試合全体で考えても、強く力を入れたプレー一辺倒というのは、相手が非常に対応しやすいものですし、味方の連関をつくる正確なプレーを壊しがちです。

道理なしで勝つことはできません。少しも無理な事をしようとは考えず知力で勝利を得るのが、私の「二天一流」です。よく考えてみましょう。

 

★ 原文・・・『武蔵の五輪書を読む』(播磨武蔵研究会「宮本武蔵」)より

一 他流におゐてつよミの太刀と云事。

太刀に、強き太刀、よはき太刀と云事ハ、あるべからず。強き心にて振太刀ハ、悪敷もの也。あらき斗にてハ勝がたし。又、強き太刀と云て、人を切時にして、むりに強くきらんとすれバ、きられざる心也。ためし物などきる心にも、強くきらんとする事あしゝ。誰におゐても、かたきときりあふに、よはくきらん、つよくきらん、と思ものなし。たゞ人をきりころさんと思ときハ、強き心もあらず、勿論よはき心もあらず、敵のしぬる程とおもふ儀也。

若ハ、強みの太刀にて、人の太刀強くはれバ、はりあまりて、かならずあしき心也。人の太刀に強くあたれバ、我太刀も、おれくだくる所也。然によつて、強ミの太刀などゝ云事、なき事也。

大分の兵法にしても、強き人数をもち、合戦におゐて強くかたんと思ヘバ、敵も強き人数を持、戦強くせんと思ふ。夫ハ何も同じ事也。

物毎に、勝と云事、道理なくしてハ、勝事あたはず。我道におゐてハ、少も無理なる事を思はず、兵法の智力をもつて、いか様にも勝所を得る心也。能々工夫有べし。

 

注釈

特にありません。


07. 4月 2012 by outsidervoice
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