81) 風之巻 ★ 他流のショートパス戦術

サッカー語訳

ショートパスだけを使って勝とうとするのは真のサッカーではありません。長短のパス、そしてドリブルには、それぞれの利点がありますし、プレーヤーの適正によってパスの比重も変わってきます。身体の大きな選手はロングキックを得意とする傾向がありますが、ショートパス戦術はこういう選手を活かすことができません。

また、ショートパスのみで敵の隙間を縫って行こうと思うのは偏りのある狙いです。そこに拘っていると敵に追われ縺れた状態になっていきます。それに、完全な密集に入り込むと、ショートパスでも出すことはできません。ショートパスに習熟していると思っているプレーヤーは、混戦の中でも敵を振り払って自由に動き続けることができると思いがちですが、実際は徐々に敵に追い込まれ、勝利にはつながらないものです。

隙間を縫って行きたいのならば、強引に敵に向かって行くドリブルを仕掛けて敵がうろめくのを狙う方が、成功の可能性は高いでしょう。

試合でも、敵をなんとかすり抜けることに労力を使うのではなく、様々な動きを主導的に組み合わせて敵を翻弄し、攻め落とせるときに一気に攻め落とすのが、サッカーの勝ち方です。

普段の生活でも、うまくすり抜けよう掻い潜ろうという行動が習慣になっていると、結局はいつも人に追い回される立場になってしまいます。

サッカーの法則とは、まっすぐに正しいものです。サッカーとは、正しい戦い方で敵を振り回すもの、敵を従属させる気持ちで行うものです。じっくり吟味してください。

 

★ 原文・・・『武蔵の五輪書を読む』(播磨武蔵研究会「宮本武蔵」)より

一 他流にミじかき太刀を用る事。

みじかき太刀ばかりにてかたんと思ところ、實の道にあらず。昔より太刀、刀と云て、長きとみじかきと云事を顕し置也。世の中に、強力なるものは、大なる太刀をもかろ/\と振なれば、むりにみじかきをこのむ所にあらず。其故ハ、長きを用て、鑓、長刀をも持もの也。

短き太刀をもつて、人の振太刀のすき間を、きらん、飛入ん、つかまへん、などゝ思ふ心、かたつきて悪し。又、すき間をねらふ所、万事後手に見ヘて、もつるゝと云心有て、嫌事也。若、みじかきものにて、敵へ入、くまん、とらんとする事、大敵の中にて役にたゝざる心也。ミじかきにて仕ひ得たるものハ、大勢をもきりはらはん、自由に飛、くるばん、と思ふとも、みなうけ太刀と云(もの)になりて、とり紛るゝ心有て、たしかなる道にて(は)なき事也。

同じくハ、我身は強く直にして、人を追まはし、人にとびはねさせ、人のうろめく様にしかけて、たしかに勝所を専とする道也。

大分の兵法におゐても、其利有。同じくハ、人数かさをもつて、かたきを矢塲にしほし、則時に責つぶす心、兵法の専也。

世の中の人の、物をしならふ事、平生も、うけつ、かはいつ、ぬけつ、くゞつゝしならへバ、心、道にひかされて、人にまはさるゝ心有。

兵法の道、直に正しき所なれバ、正利をもつて、人を追廻し、人をしたがゆる心、肝要也。能々吟味有べし。

 

注釈

特にありません。


07. 4月 2012 by outsidervoice
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