82) 風之巻 ★ 他流が売りにしている個人技のバリエーション

サッカー語訳

個人技のバリエーションの多さを誇示するのは、それが初心者を引き付ける売り物になるからです。しかし、それは正しいサッカーではありません。

敵を切る方法がいろいろあると思えば、迷いになります。サッカープレーヤーもサッカープレーヤー以外の人も、目の前のものを切るのに、多種多様な技を必要とすることはありません。よく切れるもので切るだけであって、切れるものをたくさん持っていることは重要ではありません。

もちろん、場所や状況やスペースの空き具合などにより、使える技使えない技があり、ある程度のバリエーションは必要です。しかしそれでも、水之巻で書いた5つのボールの位置への対応をベースに必要なものを増やしていけば良く、バリエーションの豊富さを求めて、無理な足の使い方、身体の使い方を工夫する労力は、勝つための努力とは異なります。

私の「二天一流」では、自分たちの身体や心はまっすぐなままに、敵の方が無理な態勢や精神状態にならざるを得ない状態にして勝ちます。じっくり吟味してください。

 

★ 原文・・・『武蔵の五輪書を読む』(播磨武蔵研究会「宮本武蔵」)より

一 他流に太刀数多き事。

太刀かず数多にして、人に傳る事、道をうり物にしたてゝ、太刀数多くしりたると、初心のものに深くおもはせんためなるべし。

是、兵法に嫌ふこゝろ也。其故ハ、人をきる事色々有と思ふ所、まよふ心也。世の中におゐて、人をきる事、替る道なし。しるものも、しらざるものも、女童子迄も、打、たゝき、切と云道ハ、多くなき所也。若、かはりてハ、つくぞ、なぐぞ、と云より外ハなし。先きる所の道なれバ、かずの多かるべき子細にあらず。

されども、場により、ことに随ひ、上脇などのつまりたる所などにてハ、太刀のつかへざるやうに持道なれバ、五方とて、五つの数ハ有べきもの也。夫より外に、とりつけて、手をねぢ、身をひねりて、飛、ひらき、人をきる事、實の道にあらず。人をきるに、ねぢてきられず、ひねりてきられず、飛てきられず、ひらいてきられず、かつて役に立ざる事也。

我兵法におゐてハ、身なりも心も直にして、敵をひずませ、ゆがませて、敵の心のねぢひねる所を勝事、肝心也。(能々吟味有べし)

 

注釈

「切る」という言葉の使い方については、水之巻を振り返ってみてください。


07. 4月 2012 by outsidervoice
Categories: 風之巻 | Leave a comment

Leave a Reply

Required fields are marked *


CAPTCHA


This blog is kept spam free by WP-SpamFree.