85) 風之巻 ★ 他流の様々なステップ

サッカー語訳

ステップには、浮き足、飛び足、跳ねる足、踏みつめる足など、いろいろと特殊なものがありますが、私の流派では、これらは悪いステップとしています。

試合になると、どうしても気が焦って足が浮いてしまう傾向があります。重心を正しく保つためには、浮き足をしないと心に命じておきます。また、飛び足は、飛ぶ動作に入るとき身体が固まり、敵の動きに対応できない時間ができてしまいます。飛ぶことは癖になりがちで、そうなれば敵が組みしやすい機会を増やすことになってしまいます。一見躍動感のあるように見える跳ねる足も、落ち着きが無いだけで、メリットはありません。踏みつめる足は、じっと待つ足であり、特に避けたい足の状態です。それに、このような特殊なステップは、試合で敵と向き合った場面では自由に使いこなせないという欠点もあります。

私の「二天一流」では特殊なステップはしません。道を歩む時といつも同じです。敵のリズムに応じて速く動く時にも、平常の体勢を維持して一歩一歩無駄なく縺れないように左右交互に進みます。

足を運ぶタイミングと速さのコントロールは重要です。敵の心を読まないまま、無闇に早いタイミングで仕掛けても勝てませんし、また、敵が動揺して崩れかかっているのにゆっくりと進んでは、決着をつけることはできません。動揺して崩れるタイミングを逃さず、敵に余裕を与えないスピードで足を運ぶことが大切です。よく練習してみましょう。

 

★ 原文・・・『武蔵の五輪書を読む』(播磨武蔵研究会「宮本武蔵」)より

一 他流に足つかひ有事。

足の踏様に、浮足、飛足、はぬる足、踏つむる足、からす足などいひて、いろ/\さつそくをふむ事有。是ミな、わが兵法より見てハ、不足に思ふ所也。

浮足を嫌ふ事、其故ハ、戦になりてハ、かならず足のうきたがるものなれバ、いかにもたしかに踏道也。

又、飛足をこのまざる事、飛足ハ、とぶにおこり有て、飛ていつく心有、いくとびも飛といふ利のなきによつて、飛足悪し。又、はぬる足、はぬるといふ心にて、はかのゆかぬもの也。踏つむる足ハ、待足とて、殊に嫌ふ事也。其外からす足、いろ/\のさつそくなど有。或ハ、沼ふけ、或ハ、山川、石原、細道にても、敵ときり合ものなれバ、所により、飛はぬる事もならず、さつそくのふまれざる所有もの也。

我兵法におゐて、足に替る事なし。常に道をあゆむがごとし。敵のひやうしにしたがひ、いそぐ時ハ、静なるときの身のくらゐを得て、たらずあまらず、足のしどろになきやうに有べき也。

大分の兵法にして、足をはこぶ事、肝要也。其故ハ、敵の心をしらず、むざとはやくかゝれバ、ひやうしちがひ、かちがたきもの也。又、足ふみ静にてハ、敵うろめき有てくづるゝと云所を見つけずして、勝事をぬかして、はやく勝負付ざるもの也。うろめき崩るゝ場を見わけてハ、少も敵をくつろがせざるやうに勝事、肝要也。能々鍛錬有べし。

 

注釈

特にありません。


07. 4月 2012 by outsidervoice
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