87) 風之巻 ★ 他流が分けている口と奥

サッカー語訳

サッカーにおいて、何が「口」(入門コース)で何が「奥」(上級者コース)なのでしょうか。様々な分野が、極意とか秘伝などという上級者のみが知り得る「奥」を設定していますが、敵との勝負に、「口」でボールを競り「奥」で勝負を決めるというようなことはあり得ません。

私の「二天一流」では、初心者には習得しやすいところから練習してもらい、理解しやすい考え方を先に教えて、さらに深いところはその人の心の準備が整ったところで伝えるようにしています。しかしその差は、主に対処すべき状況の違いであり「奥」と「口」という区別ではありません。

また、山の奥に行こうと思っていたのに、いつの間にか入口に居たということはよくあることです。どの分野でも、「奥」と考えられているものと「口」と考えられているものを順序良く使えることはなく渾然としているものです。ましてやサッカーでは、「口」と「奥」を区別することは不可能です。

ここで習ったことを他流に教えないという守秘義務は「二天一流」にはありません。ここでは、サッカーを学ぶ人の知力に応じて正しいことを率直に教え、正しいサッカーの妨げとなる様々な迷いや悪癖を捨てるように促し、プレーヤーが自分の力でサッカーの法則を獲得し確信を持つに至ることを目指しているます。

しっかりと鍛錬を続けてください。

 

★ 原文・・・『武蔵の五輪書を読む』(播磨武蔵研究会「宮本武蔵」)より

一 他流に奥表と云事。

兵法の事におゐて、いづれを表と云、いづれを奥といはん。藝により、ことにふれて、極意秘傳など云て、奥口あれども、敵とうちあふ時の利におゐてハ、表にて戦、奥を以てきると云事にあらず。

わが兵法のおしへ様ハ、始て道を学ぶ人にハ、其わざのなりよき所を、させならはせ、合点のはやくゆく利を、さきにおしへ、心のおよびがたき事をバ、其人の心のほどくる所を見わけて、次第/\に、深き所の利を、後におしゆるこゝろ也。されども、おほかたハ、ことに對したる事などを、覚さするによつて、奥口といふ所なき事也。

されバ、世の中に、山の奥をたづぬるに、猶奥へゆかんと思へバ、又、口へ出るもの也。何事の道におゐても、奥の出合ところも有、口を出してよき事も有。此戦の道におゐて、何をかかくし、いづれをか顕さん。

然によつて、我道を傳ふるに、誓紙罸文などゝ云事をこのまず。此道を学ぶ人の智力をうかゞひ、直なる道をおしへ、兵法の五道六道のあしき所を捨させ、おのづから武士の法の實の道に入、うたがひなき心になす事、我兵法のおしへの道なり。

能々鍛錬有べし。

 

注釈

特にありません。


08. 4月 2012 by outsidervoice
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