#0010) 世界は、ありきたりの遠近法とは違う

悪いものを見ました。

近所の図書館の入り口近くのスペースで、ある絵画教室の展覧会をやっていました。ざっと目に入った絵からは同一人物の作品に見えたのですが、近づいて絵の横の札を見ると、年少から小学生3年くらいまでの様々な年齢の子どもたちの作品でした。

年中の子どもが池に浮かぶ鴨を、その映りも含めて描いていたり、見せられると、「上手だねえ」と言いつつ「で、描きたいもの描いたのかよ」と心の中で思うだろう絵ばかりなのですが、遠近の感じ方も、色使いも、タッチも、奇をてらおうと狙ったときの奇のてらい方も、どれもがある枠に収まっていて、なかなか不気味な展覧会でした。短く言えば「魂が無い絵」が並んでいるわけです。

ちょっと、周りの世界を眺めてみてください。あなたは、写真を見るときのように世界を感じているでしょうか。ましてや、子どもがそんな風に世界を感じていますかねえ。もちろん、絵は個人の感覚を表現している必要はありません。では、その絵画教室では、絵は何を求めて描かれるでしょうか。

その絵画教室のチラシの目立つところに、絵画教室の生徒たちのいわゆる難関私立小学校への合格実績が載っていました。

そこに名のあった私立小学校の教師の目は節穴でしょうか。あるいは、そういう子どもたちを救おうとして、合格させたのでしょうか。

03. 10月 2012 by outsidervoice
Categories: 図画工作 | Leave a comment

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