#0063) 価格は何も教えてくれない。あるいは価格という低能なシステムについて

#0062の続きというよりも、かなり前から続いている話かも知れません。

 

亡くなった父から引き継いだ固定資産税がかからない土地があります。固定資産税がかからないというのは、固定資産税評価額の合計が課税する額に満たないからです(所謂「売るにも売れない」土地)。

この市街化調整区域内の農地や山林という地目の付いた一般的開発の許されていない遊休地(放棄地ですね)に関して、評価額は単に開発できないということを示しているわけですが、草刈などの出費を抑えるだけでなく、もう少し何とかできないかと考えなくてはいけないことについての情報は、その評価額には何も含まれていないわけです。

一般的開発が出来ないならば、じゃあ農地として価値判断はどうなのか。・・・全くわかりません。そこは土壌なのか?pHは?現在の肥沃度は?気象条件は?水は?水はけは?有害物質は?かつての何らかの作物の生産量は?そこに関わる動植物は?微生物は?細菌は?

山林についても、同じように何も答えてくれないことはわかると思います。山林と農地をセットで考えたときの価値についても、もちろん何も・・・。

 

有能な価格システムを求めているわけではありませんが、価格システムが無能である事実は、あまり意識されていないのではないかと思うわけです。

そして、無能な価格システムの悪影響も、あまり意識されていないのではないかと・・・。

 

例えば、農村に耕作放棄地が広がる大きな理由のひとつが、この土木的価値しか反映していない土地の価格システム(の心理的支配)ではないかと。農地の持ち主は、農作業が肉体的精神的にきつくなってくると、微々たる(あるいはゼロの)固定資産税を払いながら、待つわけです。何を待っているかというと、土木的開発が許可されることによって価格が跳ね上がる瞬間を待っているわけです。まあ、待ちすぎて諦めた人も多いとは思いますが、土木的開発に偏った価格システムが土地に対する他の可能性を追求する意欲を失うことを奨励してきたわけです。意欲を失った人たちはその所為だとは認識していないとは思いますが。あと、土木的開発以外には一般的農地利用しかないと思い込んでいる国や自治体の開発規制も、この無気力に大きく貢献していると思います。

山林や耕作放棄地を買い占めているのは、この価格システムの欠陥を見つけた人たちかも知れません。

 

価格システムが対象のディテールを十分に反映することは不可能であることから考えて、価格システムの欠陥、あるいは無能は、あらゆる分野に蔓延しているはずです。それを利用してソロスのように大金を稼ぐ人物もいますが、まあ、私たちはだいたい、そんな欠陥だらけのものに追いまくられていたり、裏切られていたりする感じです。

希望としては、何とか、その外側にいたいということです。少なくとも精神的には。・・・いや違いますね、楽しむべきですね。そのハチャメチャさを。

 

気もち

 

18. 2月 2013 by outsidervoice
Categories: 生活, 社会 | Leave a comment

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